保育園から療育を勧められた日。正直、納得できなかった話

保育園から療育を勧められた日。正直、納得できなかった話

長男が2歳になる少し前。

保育園から、市の相談窓口を紹介されました。

今なら「一度相談してみようかな」と思えます。

でも当時の私は、正直まったく納得できていませんでした。


「なんでうちの子が?」

長男が小さい頃、私は次男を出産したばかりでした。

毎日が慌ただしく、睡眠不足で、自分のことは後回し。

とにかく目の前の生活を回すだけで精一杯でした。

そんな頃、お迎えの時に保育園の先生から声をかけられました。

「最近、切り替えが難しい場面が多くて……」

「集団活動への参加が少し難しいことがあって……」

そんな話だったと思います。

でも私は正直ピンときませんでした。

だってまだ2歳にもなっていないんです。

切り替えが苦手?

そんなの年齢相応じゃないの?

むしろ2歳ってみんなそんなものじゃないの?

そう思っていました。


赤ちゃん返りだと思っていた

当時の私は、長男の様子を見ていても、

「赤ちゃん返りかな」

くらいにしか思っていませんでした。

下の子が生まれたばかり。

構ってほしい気持ちもあるだろうし、不安もあるだろう。

それが行動に出ているだけだと思っていました。

むしろ、

「私が十分に構ってあげられていないからでは?」

という罪悪感の方が強かったです。

愛情不足なんじゃないか。

寂しい思いをさせているんじゃないか。

そんなことばかり考えていました。


何度も言われるようになった

先生は療育という言葉を直接使うことはありませんでした。

でも、お迎えのたびに言われます。

「一度、市に相談してみるのもいいかもしれません」

「相談してよかったと言われる保護者さんも多いですよ」

最初は聞き流していました。

でも何度も何度も言われると、さすがに気になります。

そして少しずつ、

「そんなに言うなら何かあるのかな」

という気持ちになっていきました。


相談へ行った理由は前向きなものではなかった

今だから言えますが、

当時の私は療育に前向きだったわけではありません。

むしろ反対でした。

納得していませんでした。

それでも市へ相談に行った理由は、

「何もしない親だと思われたくなかった」

からです。

かなり反骨精神だったと思います。

旦那に話しても、

「子どもなんてそんなもんじゃない?」

という反応でした。

私も同じ意見でした。

でも保育園から何度も言われるのが嫌になって、

「じゃあ相談してみるよ」

という気持ちで予約を取りました。


市の相談は2ヶ月待ちだった

相談を決めてから実際の面談までは約2ヶ月。

予約がいっぱいだったからです。

その間も私はずっとモヤモヤしていました。

本当に相談する必要あるのかな。

大げさなんじゃないかな。

そんなことを考えていました。


発達検査で初めて不安になった

市の相談当日。

私はかなり緊張していました。

何を聞かれるのか。

何をするのか。

全然わかりません。

ソワソワしながら長男を連れて行きました。

そこで発達検査も受けました。

そして私は初めて不安になります。

長男が検査を受ける姿を見ていて、

できないことが思ったより多かったからです。

もちろん当時の私は知識もありません。

それが年齢相応なのか。

本当に苦手なのか。

判断できませんでした。

でも、

「もしかして何かあるのかもしれない」

と初めて思いました。


それでも療育へ通う気はなかった

発達検査の結果を聞いても、

「療育へ行った方がいいです」

とは言われませんでした。

たぶん断定はできないのでしょう。

言われたのは、

「凸凹している部分はありますね」

「こういう特性がありそうですね」

「困りごとがあるなら療育という選択肢もありますよ」

ということでした。

だからその時も、

私は療育へ通う気はありませんでした。

ただ、

「見学くらいなら行ってみるか」

という気持ちでした。


療育はもっと重たいものだと思っていた

当時の私にとって療育は、

障害のある子が行く場所でした。

できないことを訓練する場所。

普通にするための場所。

矯正する場所。

そんなイメージでした。

だから正直、抵抗がありました。


見学してみると全然違った

紹介された施設をいくつか見学しました。

実際に見てみると、本当に色々でした。

私が想像していたような、訓練色の強い施設もありました。

でも、ある施設は全然違いました。

子どもたちがのびのび過ごしている。

先生たちが一人ひとりを尊重している。

何かを無理やりやらせる感じもない。

私はその雰囲気が気に入りました。

正直、

「ここが一番効果がありそう」

と思ったわけではありません。

むしろ逆です。

訓練っぽいことをさせることに抵抗がありました。

だから、

「これくらいなら嫌じゃないな」

という消極的な理由で選びました。


初めての療育の日

初日も長男はいつも通りでした。

目新しいおもちゃに興味津々。

絵本コーナーへ直行。

当時から本が大好きだったので、ずっと本を読んでいました。

活動が始まっても、

みんなと一緒に参加するわけではありません。

自分のやりたいことを続けていました。

でも本人は楽しそうでした。

そして何より、療育へ行くこと自体が大好きでした。

嫌がることはほとんどありませんでした。


あの選択は大正解だった

今振り返ると、本当に良い施設を選べたと思います。

後になって他の療育施設へ通っていた保護者さんと話す機会もありました。

話を聞くたびに思いました。

「ああ、うちの長男はあそこじゃなかったな」

と。

施設ごとに考え方も雰囲気も全然違います。

だから療育そのものが合うかどうかではなく、

どこの療育に通うかも大事なんだと思います。


療育で変わったのは長男だけじゃない

長男は今でも切り替えが苦手です。

マイペースです。

自分のペースを崩されるのも嫌いです。

気に入らないことがあれば今でも怒ります。

4年生になった今も、そこは変わりません。

でも私は知っています。

療育に通う前より、

長男のことを理解できるようになったことを。

切り替えが苦手なら事前に伝える。

視覚的に説明する。

心の準備ができるようにする。

無理やり参加させるのではなく、気持ちが向くのを待つ。

そういう関わり方を学びました。


今ならあの時の私にこう言いたい

当時の私は、

療育は「普通にする場所」だと思っていました。

でも違いました。

療育は、その子を理解する場所でした。

そして親が学ぶ場所でもありました。

もし今、

保育園や幼稚園から相談を勧められて悩んでいる人がいたら。

すぐに療育を決めなくてもいいと思います。

納得できなくてもいいと思います。

私も納得していませんでした。

反発もしていました。

それでも話だけは聞いてみてほしい。

その一歩が、子どものためだけじゃなく、親自身のためになることもあります。

少なくとも私は、あの時勇気を出して相談へ行って良かったと思っています。

療育で一番成長したのは、もしかしたら長男ではなく私だったのかもしれません。