保育園から療育を勧められた日。正直、納得できなかった話

保育園から療育を勧められた日。正直、納得できなかった話

我が家の長男が療育につながったのは、2歳になる少し前のことです。

今でこそ三兄弟全員が療育に通っていて、「療育は我が家の日常の一部」くらいに思っています。

でも当時の私は違いました。

療育なんて無縁だと思っていました。

発達障害なんて考えたこともありませんでした。

だから保育園から話をされた時、正直納得できなかったんです。


「うちの子が?」と思った日

長男は家では特に困りごとのない子でした。

よく遊ぶ、よく食べる、よく寝る。

少しマイペースかな、とは思っていました。

でもそれだけです。

だから保育園の先生から相談を受けた時は驚きました。

先生から言われたのは、

  • 集団行動の切り替えが苦手
  • 一人だけ出遅れることがある
  • パニックになることがある
  • 怒って泣くことがある

というような内容でした。

でも当時の私は、

「子どもなんだからそんなこともあるでしょう」

くらいにしか思えませんでした。

むしろ、なんでそんなことを言われなきゃいけないんだろう。

そんな気持ちの方が強かったです。


集団生活の中で見えていた長男の困りごと

今振り返ると、先生が言っていたことは間違っていませんでした。

例えば活動の切り替え。

みんながお片付けを始めても、長男だけ遊び続けている。

先生が声をかけても動けない。

次の活動へ移れない。

でもそれは聞こえていないわけでも、理解できていないわけでもありませんでした。

長男の中では、

「まだ終わっていない」

んです。

だから動けない。

今ならよく分かります。

でも当時は理解できませんでした。

ただ「頑固な子」だと思っていました。


市の相談を経て療育へ

保育園から勧められて、市の相談窓口へ行きました。

正直なところ、半信半疑でした。

何か大きな問題があるとは思っていなかったからです。

それでも相談を進める中で療育を紹介され、長男は2歳から年長まで療育へ通うことになりました。


最初は療育の意味を勘違いしていた

療育へ通い始めた頃の私は、

療育とは

普通になれるように頑張る場所

だと思っていました。

苦手を克服する場所。
集団行動ができるようになる場所。
周りと同じようになれるように練習する場所。

そんなイメージでした。

だから最初の頃は正直よく分かっていませんでした。

先生に言われるまま通っていた、というのが近いと思います。


長男を理解するための場所だった

でも通い続けるうちに、少しずつ考え方が変わりました。

療育は、長男を変える場所ではありませんでした。

長男を理解する場所でした。

そして、私たち親が長男との向き合い方を学ぶ場所でした。


長男は切り替えが苦手です。

これは今も変わりません。

活動が変わる。
予定が変わる。
思っていた流れと違う。

そういう場面が苦手です。

でもそれが分かってからは対応が変わりました。

事前に伝える。
視覚的に説明する。
見通しを持たせる。
本人に流れを決めてもらう。
そして、その流れをできるだけ尊重する。

そうすると長男は安心して行動できることが増えました。


耳から入る情報が多すぎた

療育の先生と話をする中で気づいたこともありました。

長男は耳がとても良いんです。

私なら聞き流してしまうような情報も拾います。

遠くで誰かが話している声。
別の子どもたちの会話。
周囲の物音。
先生同士のやり取り。

そういうものを全部聞いて、全部処理しようとしていました。

今思えば、そりゃ疲れるよなと思います。

私たち大人でも、会議室で同時に5人から話しかけられたら混乱します。

長男はそれに近い状態だったのかもしれません。


「笑われた」と思って怒った長男

保育園の頃、こんなこともありました。

誰かが笑っただけで怒ることがあったんです。

最初は意味が分かりませんでした。

でも長男の中では、

「自分が笑われた」

と思っていました。

実際には違います。

全然関係ない話で笑っているだけです。

でも本人にはそう見えていた。

そういう受け取り方をすることがある。

そう教えてもらった時、

私は初めて

「長男は私と同じ景色を見ていないのかもしれない」

と思いました。


9か月頃の長男を思い出した

長男のことが少しずつ分かるようになってきた頃。

ふと思い出したことがあります。

長男が9か月くらいの頃のことです。

長男は寝返りをほとんどしませんでした。

できなかったわけではありません。

本人が必要性を感じていなかったように見えました。

その代わり、背這いがすごかったんです。

本当にどこまでも背這いで移動していました。

当時は、

「変わってるな〜」

「面白いな〜」

くらいにしか思っていませんでした。

一人目でしたし、それが普通かどうかも分かりませんでした。

でも今なら思います。

長男は昔から長男だったんだな、と。

みんなと同じやり方にこだわらない。

自分が納得した方法で進む。

必要だと思ったことしかしない。

今の長男そのままです。


長男は変わっていない

小学4年生になった今も、長男は変わっていません。

気に入らないことがあると怒ります。

大きな声も出します。

時には暴れます。

切り替えだって得意ではありません。

でも私はそれを昔ほど困りごとだと思っていません。

それが長男だからです。

もちろん、人を傷つけることや危険なことは止めます。

でも感情を出すことそのものは否定しません。

長男なりの消化方法だからです。

そして長男自身も療育を通して、自分で気持ちを整理する力を少しずつ身につけています。

だから私は待てるようになりました。

以前のように無理やり引っ張って参加させることもしません。

気持ちが向くまで待つ。

どうすれば動きやすいか考える。

そんな関わり方に変わりました。


療育に通って、一番成長したのは私だった

療育のおかげで長男が成長した。

もちろんそれもあります。

でも今の私は、一番成長したのは私だったと思っています。

長男を変えようとしていた私が、

長男を理解しようとする私になりました。

長男に合わせることを覚えました。

待つことを覚えました。

特性を知ることの大切さを知りました。


おわりに

保育園から療育を勧められたあの日。

私は納得できませんでした。

「うちの子が?」

そう思っていました。

でも今なら言えます。

療育につながって本当に良かった。

長男を普通にするためではありません。

長男らしく生きていくために。

そして私たち家族が長男を理解するために。

療育は必要な場所でした。

あの時の私に会えるなら、こう言いたいです。


大丈夫。

長男は長男のまま大きくなる。

そしてあなたも、ちゃんと長男のことが分かるようになるよ。


そう伝えたいと思います。